予防処置

歯磨きだけで除去できる汚れは約60%

皆さまは、虫歯を防ぐために日ごろから心がけていることはありますか?毎日のセルフケアとして歯磨きを頑張っている方は多いと思います。しかしながら、歯ブラシによる歯磨きだけでは約60%の汚れしか取りきれていないと言われています。フロスや歯間ブラシを併用することで歯ブラシだけでは届かない箇所もケアすることができ、歯の汚れの除去率を約80〜90%前後まで上げることができます。
しかし、どれほど丁寧にセルフケアを行なっていても、磨き残しは出てしまいます。セルフケアだけでなく定期的に歯科医院で専用の機器によって、セルフケアでは落としきれなかった歯垢や歯石を綺麗に取り除くことをおすすめします。

日本人の定期受診率は5%以下

アメリカなどの予防先進国では、歯の定期検診の受診率は約90%と言われています。それに比べ、日本の受診率は、わずか約2%と言われています。将来自分の歯を多く残すためには、毎日のお口のケアと歯科医院での定期的な検診が不可欠です。当院では、患部の治療が終わっても、全ての治療が終了したとは考えません。治療後も、患者さまの状態やご希望に合わせて、数ヶ月に一度の定期検診をおすすめしております。

残存歯数にメンテナンス受診率が影響

20本の歯が残っていれば、食事や話すなどの日常生活に支障がないと言われています。そのため「80歳までに20本以上の歯を残そう」というスローガンを掲げ、厚生労働省と日本歯科医師会は健全な歯を維持するための活動を行なっています。しかしながら、80歳時点での平均残存歯数は、予防歯科先進国のスウェーデンでは20本、アメリカでは18本であるのに比べ、日本は15本となっており、欧米諸国に比べて低い傾向にあります。日本の風潮としてはまだ、「歳をとると歯を失うのは仕方がない」と思われていますが、歯を失うことを老化現象として諦めてしまうのは大きな間違いです。若い頃からの定期検診の習慣が、歳を重ねた時に1本でも多くの健康な歯を残せるかどうかに大きく影響しているのです。ではどうして、定期検診が重要なのでしょうか。歯を失う大きな原因として考えられるのは歯周病です。加齢とともに、歯や歯茎の炎症、口臭などが深刻な症状として出てくるのが歯周病なのですが、実際には、若い時から少しずつ悪化した結果だとも考えられています。そのため、若い頃からの定期検診で、歯周病ケアをしっかり行なっているかどうかが、将来の残存歯数や口臭対策に大きく関係してくるのです。

「治療」から「予防」へ

現状の日本では、「悪いところがある時だけ歯医者に行く」という方が多いですが、欧米諸国では「悪くなることを防ぐために歯医者に行く」という予防意識が根付いています。男女とも平均寿命が80歳を超える日本。いつまでも、気の合う仲間と美味しく食事をとり、会話をはずませるなどの、充実した時間を過ごしたいものです。そのような生活を続けていくためにも、歯とお口の健康維持はとても重要です。さらに、残存する歯が多いほど、健康寿命が長く、要介護期間が短いこともわかっています。トラブルや痛みがないのに、わざわざ検診のために時間とお金をかけるのは無駄なことだと感じる方も多いかもしれません。しかし、将来の自分が、健康で心豊かな生活を送るために、歯の健康は不可欠なものなのです。

歯の汚れの種類

ペリクル

「ペリクル」とは、歯の表面のエナメル質を覆う、無色透明の有機質の薄い皮膜のことです。ペリクルは歯垢とは異なり、歯磨きをした数分後には形成されます。あくまで膜なので、細菌は含まれていませんが、口腔細菌を吸着する性質があるため、歯垢形成の初期段階を作ったり、う蝕の発生の始まりになってしまいます。一方、エナメル質への酸の浸透を低下させたり、脱炭部位からカルシウムやリンの拡散を阻止し、再石灰化を助ける働きもあります。

 

バイオフィルム

「バイオフィルム」とは、固相表面を足場にして、口腔内微生物が集合し形成される膜状の構造体です。バイオフィルムを取り除くには、歯ブラシ、スケーラーを用いた除去が第一となります。

プラーク(歯垢)

「プラーク」とは、食後8時間で繁殖した細菌の白い塊で、付着力が強くうがいやマウスウォッシュでは除去できません。歯磨きやデンタルフロス、専門的な器具によって取り除くことができます。歯石は、歯垢と唾液中のカルシウムなどが結合し形成される石灰化物です。歯垢が約2〜3日で石灰化を始めることで、後に歯石となります。歯に強く付着する性質があり、歯科器具がないと除去が困難です。歯垢は、細菌なので身体へ毒素を排出しますが、歯石は無機質なので直接的な作用はありません。しかしながら、歯石とよって歯の表面が凸凹することで、歯垢の足場となり細菌が付着しやすくなります。

ステイン

「ステイン」とは、タバコのヤニや、コーヒーやお茶に含まれる色素などによって、歯の表面に付着してできる汚れです。時間が経つとともに、歯に固着し、落ちにくくなってしまいます。歯のエナメル質の表面には「ペリクル」という薄い膜がありますが、この膜に、タバコのヤニ、紅茶、緑茶、コーヒーに含まれるタンニンが付着するとステインになります。

歯科医院で行われる予防歯科メニュー

レントゲン

検査-歯を支えている骨の状態を調べます。歯周病になると、歯を支えている骨が溶けてくるので、現在の骨の状態を確認します。

歯周ポケット検査

歯周ポケットの溝の深さを計測します。それにより、どの部位の歯周組織に異常があるかが判定できます。4mm以上の深さの溝は、歯周病が進行する可能性が高いです。

出血検査

歯茎からの出血を確認します。出血のある場所は、歯周炎になる可能性が高いです。

歯石除去

スケーリング-歯茎より上の歯が見えている部分(縁上)の歯石除去をスケーリングと呼びます。歯石がある場合には、スケーラーという器具を使用して、主に歯の表面にある歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を取り除いていきます。

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

-歯周ポケット内など、歯茎の中(縁下)にある歯石除去のことをSRP(スケーリング・ルートプレーニング)と呼びます。定期検診での検査で、SRPの処置が必要だと判断した場合は、歯周治療の領域で歯周ポケットの内部に溜まった歯石を取り除いていきます。

PMTC

歯科医師や衛生士などの専門家(Professional)によって、専用の器械(Mechanical)を使用し、歯(Tooth)を磨く(Cleaning)ことを「PMTC」と言います。

歯や歯肉に傷をつけない専用の機械を使用し、ホームケアの歯磨きでは落としきれない汚れや歯垢を取り除き、表面をツルツルに磨き上げます。これにより、歯垢がつきにくくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。PMTCは、虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムの除去も可能です。バイオフィルムはぬるぬると粘着性が高く、菌の増殖力が高くなります。バイオフィルム自体は歯磨きなどでは落としづらく、専門的な処置が必要になります。さらに、PMTCによって、コーヒーや紅茶、赤ワイン、タバコのヤニなどによる頑固な着色汚れも除去できるため、健康的な美しい本来の歯の白さを取り戻すことができます。

歯磨き指導・お手入れ方法

多くの方が自己流の歯磨きをしていることと思います。けれども自己流の歯磨きでは、どうしても磨き残しが多く、虫歯や歯周病を進行させてしまったり、強く磨くことによって、歯茎を痛めてしまうこともあります。当院では歯科衛生士が患者さまごとに合わせたブラッシングを丁寧にレクチャーします。